〈発表〉マタハラ相談活動報告書を発行しました

マタハラNetではこのたび、埼玉学園大学の杉浦浩美准教授のご協力を得て、「マタニティ・ハラスメント相談活動報告書」をまとめました。

この報告書では、団体設立から2017年12月までの3年半に受けたご相談を対象に詳細な事例分析を行っています。また、団体の成り立ちや相談活動の意義と課題、相談担当者による座談会も収録しています。

報告書を引用、転載される際は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。内容によっては、ご説明のためのご連絡を差し上げる場合があります。

マタニティ・ハラスメント相談活動報告書 〜マタハラNet 3年半の支援活動と事例分析〜

〈「はじめに」より引用〉

 マタハラNet(NPO 法人 マタニティハラスメント対策ネットワーク)は、妊娠、出産、育児を契機とする職場でのハラスメントの撲滅と同時に、被害者支援、被害者同士のネットワークづくりを目的として設立された団体です。このたび、マタハラNet の活動の柱のひとつであるマタニティ・ハラスメント(マタハラ)被害者からの相談支援活動に焦点を絞り、報告書を発行することとなりました。

 支援活動として、被害者同士をつなぐ交流会やオンラインでの「おしゃべりCafe」なども行っていますが、やはりメインの活動はメール相談です。相談では、被害内容をうかがい、公共の相談窓口・法律窓口への紹介、希望があれば、弁護士によるメールアドバイスも行っています。

 これまで日々メール相談に対応するなかで、多くの相談者の方々の訴えや心の叫びのようなものを、細かく分析し広く社会に知ってもらう必要があると強く感じるようになりました。そこで、以前から当団体の活動に協力くださっている埼玉学園大学の杉浦浩美先生に、相談内容の分析について相談しました。杉浦先生はご著書『働く女性とマタニティ・ハラスメント』 で、マタニティ・ハラスメントという用語・概念を初めて提唱された、マタニティ・ハラスメント研究の第一人者でいらっしゃいます。杉浦先生も私たちと同様な問題意識をお持ちで、報告書の作成を通してマタハラの撲滅につなげたいという一致した考えのもと、相談事例の分析と当報告書の執筆(第2 章・第3 章)をご担当いただくこととなりました。

 この報告書作成には杉浦先生のほか、元事務局の柳沼尚子さん、マタハラNet セミナー講師の宮田祐子さんにも多大なご協力をいただきました。また、平素より活動に大きくお力添えしてくださっている、東京駿河台法律事務所の圷由美子先生、りのは綜合法律事務所の塙創平先生、その他たくさんの方々に支えられてこの報告書の発行ができました。心より感謝申し上げます。

 この報告書を今後の制度改革や組織運営にお役立ていただき、マタハラ撲滅につなげることができればたいへん嬉しく思います。

2020 年8 月  マタハラNet 代表理事 宮下 浩子