妊娠出産で正社員の10人に1人が退職させられています
こんにちは。マタハラNetです。
日経DUAL(デュアル)に、妊娠出産を理由とする退職についての記事が掲載されています。“「仕事と育児の両立の難しさで辞めた」「強制的に解雇された」……、退職を選んだ本当の理由とは?”という副題からわかるように、マタニティハラスメントと非常に関連性のある記事です。
厚生労働省が2009年におこなった調査、「子育て期の男女への仕事と子育ての両立に関するアンケート調査結果」をもとに、妊娠出産前後に退職した女性正社員の退職理由が紹介されています。
この記事ではフォーカスされていませんが、同調査の21ページには、妊娠出産前後に退職した女性正社員の9.0%、非正社員の6.2%が退職の理由を「解雇された、退職勧奨された」と回答した、という驚くべき事実が明らかにされています。
正社員のほぼ10人に1人という、非常に高い割合の女性たちが、マタハラによって職を失っているのです。
もっともマタハラは解雇や退職勧奨には限定されないので、「同僚がマタハラを受けるのを見て、自分はそうなる前に辞めた」場合や「退職はしていないが復帰後に降格された」場合など、この数字には表れないマタハラも相当数存在すると考えられます。
(「子育て期の男女への仕事と子育ての両立に関するアンケート」調査 厚生労働省 2009年 21ページ)
マタハラについてネットで調べれば、妊娠出産を理由とする退職勧奨や解雇は男女雇用機会均等法に違反するという情報はいくらでも出てきます。
しかし、この調査結果は、法律があっても機能していない、妊娠出産を理由とする退職勧奨や解雇は事実上可能であることを物語っています。
現行の制度では、マタハラを防ぐことはできません。
安心して妊娠、出産、子育てしながら働き続けられる社会の実現のためには、実効性ある法整備が必要です。