南ドイツ新聞に代表のインタビューが掲載されました

『南ドイツ新聞』にて代表宮下浩子のインタビューが掲載されました。
宮下が15年前に受けたマタハラの話、現在のマタハラNetでの活動が紹介されています。

以下、記事の概要です。

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宮下は妊娠発覚時、勤務先の店長に、顧客に不安を与えるため妊婦を雇えない、と言われた。法律上問題があることを指摘したが、店長の言い分は「この仕事には適用されない」だった。当時の彼女は、食べたり笑ったりすることもできなくなった。

これは15年も前のことで、現在の日本の法律では妊婦は15年前よりは保護されている。しかし、日本ではしばし権力者の有利になるように法律が解釈されることもある。

宮下は訴訟を起こしたが、会社側はなかなか屈せず、訴訟中も宮下に諦めるよう説得してきた。宮下は勝訴したが、いまだに当時を思い出して苦しむことがある。

「私がマタハラを受けたとき、マタハラという言葉はなかった」と宮下は言う。「少しずつ変わってきてはいるが、いまだにマタハラはなくなっていない。」日本政府は出生率の増加を望んでいるが、企業が妊娠した女性に中絶か解雇かを選ばせているケースすらある。また、チーム内で女性が同時に妊娠しないように、子供の計画をお互い調整するよう若い女性にお願いしている会社もある。

日本人の多くは、『父親が働き、家を早くに出て夜遅くに帰り、一方で母親は子供の一切の面倒を見る』というモデルを日本の典型的な家族構造だとみなしている。そして、このモデルが19世紀にプロイセンから入ってきたものだとは知らない。戦後このモデルは定着し、それ以来、女性は結婚したら、あるいは遅くとも妊娠したら仕事を辞め、子供が学校へ行くようになったらパートで働くものとされている。

マタハラNetは、被害者支援を行っている。宮下と被害経験のある4名の女性がメールで相談に応じており、その数はこの3年で300人以上に上る。「相談件数はどんどん増えている。被害が増えたからではなく、私達の支援がますます知られるようになったからであると願いたい」 と宮下は言う。相談スタッフは、女性達をなぐさめ、アドバイスを与え、必要であれば雇用者にコンタクトを取り、交渉のサポートもする。「多くの妊婦がどうしようもなく感じており、戦うこともできず、自分自身に非があると思っている。」交渉がうまくいかなければ、マタハラネットは訴訟のサポートも行っている。

それが何をもたらすか?
2年前、日本航空は妊娠したキャビンアテンダントの地上職への異動希望を拒否し、無給休職を強制した。女性は訴訟を起こし、逆に会社側が支払うことになった。31歳の鈴木貴子衆議院議員が7月に妊娠を公表した時、有権者はインターネットで辞任を求める攻撃をした。妊婦と政治家は両立できない、と思ったのだ。 そして、元厚生労働大臣で、一年半前まで東京都知事であった舛添要一は、女性は生理中に自分をコントロールできなくなるから政治家に適していない、と書いたことがある。「古い考え方が広く浸透している、とくに男性の間で」と宮下はため息をつく。しかし、妊婦は男性だけではなく、妊婦の代わりに仕事が増えてしまう同僚の女性にもマタハラを受けることがある。
また、マタハラNetには、かつては一般的だった義理の家族の介護よりも働いていたい、といった自身の家族に悩まされているという妊婦からの相談もある。

マタハラは孤立した問題ではない。日本では、上司に長い期間に渡って月100時間以上の残業を強いられた結果”過労死”で亡くなる人が毎年いる。本来良い労働保護と均等雇用法があるのだが、頻繁に無視されている。安倍総理の女性の社会進出プログラム”ウーマノミクス”でもあまり変わらなかった。「それで利益を得ているのはせいぜい上層階級だ」と宮下は言う。

 

http://www.elle.fr/Societe/Le-travail/Mieux-concilier/Matahara-au-Japon-1-femme-sur-5-est-harcelee-au-travail-pendant-sa-grossesse-3512141