組織改正で産休前のポジションが無くなり、そのまま退職に追い込まれそうです。
私はT社の正社員ですが、業務協力員としてC社に勤務していました。昨年妊娠し、妊娠の報告とともに出産後は復帰したい旨を伝えました。T社もC社も出産後の復帰については特に問題ないとのことでした。ただ、私が産休育休で休むとC社で私が行っている業務が滞るので、私の代わりにT社のRさんが業務協力員としてC社で私の業務をすることになり、私は8月に産休に入りました。
その後出産し、育児休業に入ったのですが…今年の3月に3月末でRさんがC社を退職するという話を聞きました。その後Rさんの送別会に出席した際、C社の上司に「あなたの戻る場所はない」と言われました。他にも「早く次の仕事を見つけたほうがいいよ」「〇〇さんならすぐに再就職できるでしょ」とも言われました。
どういうことかまったくわからなかったのですが、4月になりT社から「C社で組織改正があり、Rさんのポジションがなくなることになった。業務協力員の契約は3月末で切れ、Rさんの契約は更新されなかった。〇〇さんの育休明けに〇〇さんとRさんを交代する計画だったが、それもできなくなった」と説明されました。
労働局雇用均等部に相談したところ、「C社とあなたは直接雇用関係がないため、育休法上まったく問題ない。C社とT社が契約を更新しなかっただけ。T社が次の仕事を探してくれるのを待つしかない」と言われました。T社は「今後のことについては今度相談させてほしい」と言いますが、正直退職を勧められそうで怖いです。
①確認すべき点
業務協力員としてC社に勤務中、産休・育休を取得されたとのことですが、あなたがどのような契約形態でC社に勤務していたのかお伺いする必要があります。
まず、あなたは「T社の正社員」とのことですので、C社に出向をしていたという位置づけになると思われますが、その場合、出向元(T社)とあなたの間に、また、出向先(C社)との間に、それぞれ雇用契約が成立することとなります。
もっとも、雇用均等室によれば、「C社とあなたは直接雇用関係がない」とのことですので、これを前提とすれば、C社に対して出向しているという位置づけとはならないと思われます。その場合は、C社に(出向ではなく)派遣されていた可能性が高いですが、派遣社員は正社員ではないため、あなたは「T社の正社員」とは言えないこととなります。
このように、あなたがT社にどのような形態で雇用されているか、また、C社にどのような形態で就労しているかを正確に確認する必要があります。
②今後のアドバイス
T社としては、あなたを育休から復帰させるに当たり、原職又は原職相当職に復帰させる配慮を行うべきということになります(育児・介護休業法22条、同指針)。もっとも、これは企業に対して「配慮」が求められているにすぎず、法的義務ではないため、企業としては必ずしもあなたをC社に復職させる義務はないのが現状です。
そのため、T社としては、あなたの復職先が見つからないとして、退職勧奨を行う可能性があります。もっとも、退職勧奨に応じる義務はありませんので、退職勧奨がエスカレートした場合は、これを止めてもらうよう、外部の弁護士等に相談されるのがよいと思われます。