負担軽減を申し出たところ、半月後に役職手当と資格手当の削除を言い渡されました。腑に落ちません。

医療関係の製造業に勤務しています。入社8年目で、主に営業、営業のないときは製造で、係長として働いていました。

3月に妊娠が分かり、新入社員の入ってくる時期や引継ぎのこともあったので、安定期にも入らず不安がいろいろありましたが、早めに取締役に報告・相談をしました。会社創立以来、初めての産休育休を取得することとなる社員ということ、また後輩にも予備軍がいることから、経営側と良好な関係を保ち、良好な職場環境を構築出来たらとの気持ちも強くありました。

悪阻がひどかったので、早い段階で営業を引き下がりたい旨と、出来る限りの負担を減らしたいと申し出たところ、猛烈に拒否されました。そして半月後、役職手当、資格手当などの削除を通達され、同意を求められました。理由を求めたところ、妊娠を理由としたものではなく、あくまでも私が希望した職務軽減に対する評価であるとのこと。その場では、「お金がほしいのか」「ほかの従業員の迷惑を考えたことがあるのか」「私の友達は妊娠してもずっと営業をしていた」「訴えるなら訴えてみろ、狭い世界だからどうなるかわかるよな」というようなことも言われました。力になってくれる上司もいませんでした。

まだ安定期ではなかったし、万が一おなかの子供に差し障るようなことがあってはとの思いから、産休が取れるだけでもと、周りの意見にも耳を傾け、降格に同意しました。

確かに軽易な業務への転換を希望しましたが、私が受けた不利益が妊娠が理由ではないとは、どうしても腑に落ちません。

妊娠・出産・育休等を理由として、降格といった不利益取扱いを行うことは、男女雇用機会均等法9条に反し違法となります。会社は、あなたが受けた不利益は、あなたが希望した職務軽減に対する評価であることを理由としており、妊娠を理由とするものではないと説明していますが、厚生労働省の通達及びQ&Aでは、妊娠後、1年以内に不利益取扱いを行った場合は、原則として、妊娠を理由として不利益取扱いを行ったものと判断するとしています。そのため、会社の降格が妊娠から1年以内のものであれば、妊娠を理由とした不利益取扱いとして、降格は違法・無効となります(なお、妊娠から1年を超えている場合でも、降格の実施時期が事前に決まっている、または、ある程度定期的になされる人事異動については、妊娠後、最初のタイミングまでの間に不利益取扱いがなされれば、妊娠を理由としていると判断されることとなります)。これに対して会社からは、あなたは降格に同意しており、降格は有効であるとの反論がなされることが考えられます。しかしながら、同Q&Aでは、事業主から労働者に適切な説明が行われ、労働者が十分に理解した上で同意をすることが必要とされており、「お金がほしいのか」「ほかの従業員の迷惑を考えたことがあるのか」「私の友達は妊娠してもずっと営業をしていた」「訴えるなら訴えてみろ、狭い世界だからどうなるかわかるよな」などとの説明は、適切な説明に当たりません。したがって、今回のケースでは、降格は違法・無効となると思われますが、詳細については弁護士等の専門家に相談されるのがよいと思います。