マタハラは個人的な問題ではなく、これからの組織のあり方を問う課題である
悪阻で体調がすぐれず、日々通勤と仕事をするだけでも精一杯。帰宅したら寝込まざるを得ない状況でした。
そこに嫌がらせとストレスが加わり、それに耐えながら、どうこの状況を打開するか考え、手探りで複数の支援機関を探し相談し続けることは、とてもつらい体験でした。
後述しますが、1か所の支援機関では問題の全てを解決することはできませんでした。
複数の支援機関に相談しても解決の見通しが立たず、やがて行き詰まりました。
相談相手になってくれていた夫も、無理して仕事を続けなくてもいいのではないかと言い始めました。日々のストレスから1人目の子供に厳しく当たってしまったりと、子育てへの悪影響も出始めていました。その時に初めて、仕事を手放した方がいいのかもしれない、引き際を決めておこうと思いました。
そして、妊婦健診で何らかの数値に異常が出たときは、自分と子供の仕事を守るために、仕事を手放そうと決めました。
しかし、それまでは、泣き寝入りせず、できることをやろうと覚悟を決めました。
相談している知人の一言が刺さっていました。
「あなたが直面している課題は、個人的な課題ではなく、働きながら産み育てたい女性の生き方やこれからの組織の在り方を問う課題でもある」という言葉でした。
正規労働者の権利は守られつつあるようですが、57.5%と半数以上を占める非正規雇用の女性は、まだまだ妊娠・出産と引き換えに仕事を失わざる得ない状況だということも知りました。
「無理をする必要はないが、もし働きたいという意思があるなら一人で悩まず、味方や支えてくれる人とのつながりの中でできることをし、納得できる選択をしてほしい。私にできることがあれば力になる」
企業で子育てをしながら働き続けてきたその女性の言葉に支えられながら、職場や子供に感じてしまう罪悪感や体調不良と折り合いをつけてきたように思います。
(つづく)
ペンネーム:Kayoさん
対処方法:労働局雇用均等室への相談、複数の支援機関への相談、所属組織のハラスメント防止室の利用