<体験談 Kさん 3> 「おろす覚悟はあるのか?」
出来る仕事出来ない仕事を伝えるはずの話し合いが、上司からの一方的な話で、幕を閉じる結果になりました。結局、初めに出来る仕事出来ない仕事を伝えたのですが、上司は、妊娠について全く調べてない様子で、椅子の座り方についても注意されました。妊婦は、深く腰掛けた方がいい。と、本に書いていたので、それを行っていたのですが、上司からは、『椅子にしても浅く腰掛けるなり・・・。』と言い、しまいには関係の無い、妊娠・妊婦を否定するような話もされました。1時間くらい話しましたが、気分的には、もう帰りたい。ここには、居たくない気持ちでいっぱいでした。
介護の現場で女の年下の上司に、『おろす覚悟はあるのか?』とか、言われないといけないの?人の生命を軽く考えている訳ではないのに。消えたい。居なくなりたい。私が居たら、皆が困るの?死にたい。と、毎日楽しく行っていた仕事に行くのも、外に出るのも嫌になってきました。何度も、帰宅中に前方を走行している車に当ろうと思ったり、毎日、お風呂場で手を切ろうと思ったり、泣いたりしました。でも、その度に、お腹がはって痛くなりました。お腹の赤ちゃんは生きたいと願っているようにしか、私には思えなかったのです。今、ここで私が死んだら、この子はどうなるのか?この子も、ここで死ぬ為に、私のお腹に宿ってくれたわけではないのに、私の身勝手でこの子は殺せない。でも、と、私の中でも、何かが狂っていきました。その頃から、人が少しずつ信じられなくなり、会いたくない、仕事も休みたい。と、旦那にも漏らすようになりました。
仕事に行くのが苦痛で仕方ありませんでした。周りには心配させないと、常に笑っていたのですが、やはり、分かる人には分かっていたようでした。
その頃、頻繁にお腹も張り、針を刺すような痛みや、お腹を捻じられているような痛みや、お腹を殴られたような痛みもありました。悪阻や体調不良などもありました。利用者の方からも、『あなたは、こんな坂の上まで車を運転してはいけないよ。』『人が乗ると重いのだから、○○さんが動かしたら駄目だよ。』など、利用者の方からは、色々教えて頂きました。が、私も上司に話しても、また無視されるし、伝えても何もしてもらえない。と、分かっていたので、何も伝えませんでした。
定期検診で、赤ちゃんがあまりにも下がりすぎている。この月齢でここまで下がるのは・・・。等、先生からも言われました。そして、切迫早産の危険性あり。とも言われ、診断書も貰いました。でも、なぜ下がっているのかは私には分かりませんでした。張るのを抑える薬も処方してもらいました。介護の仕事なので、人を抱えたりするのは当たり前の事だったので、いつもと変わらない働き方を強いられていたので、そのせいだと今でも思っています。後から、分かったことなのですが、妊娠中に重たい物を持つと、子宮の筋が伸びて赤ちゃんが下がってきて流れたりすることもあるそうです。そんな事は、その時、私も知らなかったので、自分が太っているから、子宮が縦長なのかな?とか、元々、そういう子宮の形をしているのかな?くらいにしか思っていませんでした。
区役所の保健師から母性健康管理指導事項連絡カードの事を教えて貰い、早速、医者に作成をして頂き、診断書と母性健康管理指導事項連絡カードを一緒に本部長と統括に提出しました。上司に提出しても、今までの事を考えると、無視されていた事や書類不備など信用出来ない人なので、書類を破棄される心配があったからです。
母性健康管理指導事項連絡カードと診断書を出して、やっと本部長と統括からは送迎を近場にする。入浴は入らなくても良い。と、言われ、次の出勤日から対応すると、約束してもらいましたが、実行されませんでした。
(つづく)