<体験談 Fさん 1>切迫流産で休むと無断欠勤扱い

週の半分は医療系の専門学校で講師、1日は治療院、それから往診に講習会の助手に勉強会等々、いつものように忙しい毎日を送っていた私。でも珍しく風邪症状がなかなか抜けず、順調だった生理が来ないので、時間を何とか作って医者へ行かなくてはいけないなと思っていた頃でした。6月でした。

午後6時前、往診を終えて講習会へ向かう途中に下腹部の痛みと違和感が大きくなり、大量の出血がありました。やはりこれはまずい!!という予感があり、その後初めて行った産婦人科で妊娠12週、「切迫流産」だと告げられ、出血が止まる迄の安静を言い渡されました。

それからは一転して自宅で寝たきりの安静となり、全て仕事は中断。出血の様子をみながら、だるくて重い身体を引きずって這うようにして学校へ連絡をしました。

代講する先生への負担や学生たちのことが心配でなるべく早く出勤したかったのですが、出血はなかなか止まらず、結局1ヶ月の欠講となりました。それでも時期的にちょうど夏休みにも入り、休み明けには復帰できるという見通しをつけました。

ところが急に理事長から「欠席届もなく無断欠勤するのは、教師として不適格だ」という話があり、直接電話で話すことに。連絡がないことを責められたため、学科長に一週間毎、逐次連絡をしていたことを話すと、「自分は知らなかった」と言いました。そこで話は終わらず、「出産前後に休むなどと言うことは、生徒に対して失礼だから辞めるべき」だなどと言われ、驚きました。

その後も「子どものことを第一に考えるべき」「働くのは論外」「だから独身男性を採用したかったんだ」などという差別的な言葉を次々に浴びせかけられました。

さらに私が連れ合いとは事実婚であるため、「結婚せずに子どもを産むことも教育者として不適格」とまで言い放ち、私が医療系の学校なので妊娠出産の経験は生徒に還元できる、と伝えたところさらに逆上して、「人事権を握っている自分にモノを言うとは何事だ」とあくまで復帰の余地はないと言いました。

それ以来、一切直接話をすることも、顔を見ることもありませんでした。

(つづく)

ペンネーム:Fさん
対処方法:労働組合に相談 労政事務所(労働相談センター)に相談