<体験談 Fさん 4>そこまでして辞めさせたいのかと打ちのめされる

 

相談後、まずは「要求書」として内容証明を学校側に送りました。それは解雇の撤回と切迫流産による病欠や産前産後休暇の確認等を求めたもので、私にとっては何より、切迫流産以降、職場復帰できないことの理由を明らかにして、早く職場に戻りたいということが希望でした。

その上で女性ユニオン東京の組合員となり、3月末、団体交渉を申し入れました。

労働組合には団体交渉という権利があります。一人では雇い主という立場の強い者と交渉するのは大変なことですので、組合員同士が助け合って団体で交渉するというのは本当に心強いものです。

しかしなかなか学校側は返事をくれず、4月末にやっと第1回の団体交渉をすることになりました。ここでやっと学校側は代理人として弁護士を入れてきたので、交渉も進むと思われました。責任のない形だけの担当者では意味がありません。

ところが学校側は、欠勤の連絡がなかった、休みなので途中で教員を交代できなかったなどと今までの主張を繰り返し、誠実な回答はなし。でもその後、3、4回に渡って粘り強く交渉を続けていき、やっと9月に協定書を結ぶところまでこぎ着けました。

とりあえず週1回午後の補習授業に職場復帰させること、以前の給料の約半年分の解決金を支払うことなどの内容で、やっと10月から授業に戻れることになりました。子どもは9ヶ月になっていました。

団体交渉の場は、私自身のことについて交渉するので、精神的にもとても大変でした。私がした、とされることを悪者扱いで滔々と話されるのは辛過ぎることです。また、解雇の理由として、授業アンケートの結果が提示され、生徒の評価が低いから辞めさせるのだと言われた時もありました。しかしそのアンケートは私が担当していない授業についてのもので、そこまでして辞めさせたいのかと打ちのめされる思いがしました。

今残っている団体交渉の記録を読み返しても、その時の情景がまざまざと蘇って来ます。怒りと悲しみで何度も立ちすくみそうになる自分と、それを支えて交渉を導いてくれる組合員の人たち。本当に助けて貰いました。

(つづく)

ペンネーム:Fさん
対処方法:労働組合に相談 労政事務所(労働相談センター)に相談