<体験談 やすさん 10>「生理来た?子作りはもう始めているの?…お前が流産するから悪いんだろ!」

2度目の流産の手術後、会社に復帰し、その日から残業するなど、これ以後通常どおりの勤務をしました。しかしある日驚くようなことを聞かれました。


ある日は、遠くから「お~いっ!」と手を振って呼ばれ、上司Aのデスクまで行くと、いきなり「生理来た?」と聞かれたのです。唖然としました。

またある日には「子作りはもうそろそろ始めているの?」などと聞かれたこともありました。
このようなことを言われて、当然いい気分はしませんでしたが、ぐっとこらえていました。
ひとえに仕事を続けたかったからです。転職することも考えましたが、妊娠・出産と転職活動を両立させることはとても困難であることが目に見えていたので、慣れた仕事を頑張って続けたいと考えてもいました。
また社内に仲間もいました。同僚の友達は何人も出来ましたし、一緒にプロジェクトをやっているメンバーはいい人たちばかりでした。自分が我慢して、なるべく平穏に、何事もないかのようにしていたいと思い続けていました。
2度目の流産から2ヵ月後、私は雑誌のプロジェクトのメイン担当を降ろされ、他のプロジェクトにサブ担当として回されることになりました。仕方がないと思って自分を納得させて諦めました。
しかし雑誌の仕事は後任者にきちんとした引継ぎが出来ていない段階で、突然他のプロジェクトに回されることになり、これには納得行きませんでした。私の後任の女性だけが、業務をよく理解できていないまま一人で深夜近くまで残業している日が続いていました。私は上司Aに、後任の女性にきちんと引継ぎさせて欲しい、もっとスライド形式で他のプロジェクトに移行するようにして欲しいと訴えたましが、聞き入れられることはありませんでした。
仕方がないと、気持ちを切り替え、新しいプロジェクトの仕事を覚えようとしていると、上司Aから喫茶店に呼ばれ、今度はもう一度雑誌の仕事を手伝えと言われました。
私:「雑誌の後任者にきちんとした引継ぎが出来ていない段階で、別の業務に回されたのはどうしてですか?そして今度はまた雑誌を手伝えと言われるのはどうしてですか?説明してください」
上司A:「なぜ部下のお前にいちいち説明しなくてはならないのか。上司に対する態度がなっていない!」
怒鳴られたため少し強い口調で言い返してしまいました。 

私:「あの時(退職勧告しに来たとき)と同じですね。また強制ですか?また命令ですか?」
すると数秒しどろもどろになった後、耳をつんざくような大声で怒鳴られました。

上司A:「な、な…、お、お…、お前が流産するから悪いんだろ!!」
この後のことはあまり覚えていません。
大して話をせず、喫茶店を出たと思います。そして、私はすぐに会社のトイレに駆け込みました。
あまりのショックに、自分の動悸を抑えるのに、しばらく時間が必要でした。
「お前が流産するから悪い。」私はこの言葉があまりにショックで、その後2日間会社を休みました。

(つづく)

ペンネーム:やすさん
対処方法:社内相談窓口の利用 労働局雇用均等室への相談 弁護士への相談・依頼 労働審判