<体験談 やすさん 12>「会社が許すとは限らない。引き際は考えているのか!」

「お前が流産するから悪いんだろ」という衝撃の言葉から2週間ちょっと経った頃、A部長の上司、C本部長(B本部長の後任)との面談が行われることになりました。上期、下期に1回ずつ行われる30分程度の本部長面談です。このC本部長も、この面談以外にほとんど会話した記憶はありません。

C本部長:「君の身体のことは共有している。分かっていると思って、話してもらっていいから」
ほとんど会話した記憶もない相手から、このような切り出し方で話され、私は当惑しました。

私自身は、自分の流産のことはあまり話したくありませんでしたし、今現在妊娠しているわけでもなく、通常どおり勤務しているのですから通常の面談をしてほしいと思っていました。しかし、最初からテーマは私の妊娠と流産についてでした。

C本部長:「今後どうしていきたいのか?」
私:「妊娠は希望していますが、働き続けたいと思っています。契約社員では、まだ産休・育休をとった人は少ないかもしれませんが、私は両立して続けていくつもりです。」
C本部長:「契約社員に産休・育休を取らせることを会社が許すとは限らないし、そうなった時に傷付くのは君なんだから、そんなことは考えない方がいい。考え直した方がいい。」

また、退職勧告でした。

やっと上司Aのマタニティハラスメントが終わったと思っていた矢先に…。一度終わっても、また次、また次と繰り返される組織ぐるみでの退職勧告、マタニティハラスメント。終わりがありません。

C本部長:「自分は2人目の子を設ける時に、2回死産を経験した。死亡診断書を提出しに行った時の悲しみがあるから、君の流産の苦しみは分かる。妻が働くのは経済的にやっていけない夫婦の場合であって、君の場合はご主人が働いているのだからそうではないだろ。引き際は考えているのか?」

自分の価値観を押し付けてくるC本部長。自分の奥さんを私に投影ししていますが、奥さんは奥さん、私は私であり、私の価値観や希望はあっさりと否定されました。

ここまで来て、会社のマネジメント層全体が「妊娠したら女性は家庭に」という古い価値観に凝り固まっていることが分かりました。

そして、産休・育休の基本的知識や、妊娠を理由とする退職勧告は法律で禁止されていることなどを会社がマネジメント層に教育していないことも想像に難くありません。あとは、会社の役員たちが、契約社員には産休・育休を取らせたくないのでしょう、何かしらの会社の方針があって、C本部長は「会社が許すとは限らない」と発言しているように思えました。

これは「会社が許す・許さない」の問題ではなく、「法律で決まっていること」です。しかしこのように、まるで実行されていない現実がありました。

(つづく)

ペンネーム:やすさん
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