<体験談 やすさん 17> 弁護士先生の見つけ方と退職届の上手な書き方

労働局に、経緯報告書を人事に提出しても解決できなかったことを相談しました。労働局が会社の人事を呼び出し、紛争解決の援助に繰り出しましたが、会社は相変わらず退職勧告の事実を認めません。

労働局雇用均等室の担当者が人事部長に「女性が働いている職場であれば、いつ誰が妊娠してもおかしくないのだから、常日頃から母性健康管理制度の存在や、妊娠の不利益取り扱いの禁止など、周知徹底しなければいけませんよ」と指導したそうですが、人事部長は「間に合っています」と発言したそうです。

労働局はこれ以上何も出来ないといい、あっと言う間に打ち切りとなりました。これ以上労働局に頼っても進展は難しいと思い、次なるステージ、弁護士先生探しとなりました。
さっそく労働局からもらったパンフレットにあった
「日本労働弁護団のホットライン(無料電話相談)」http://roudou-bengodan.org/hotline/hotline.php
に電話をかけました。
電話口に出てくれた弁護士先生に内容を話すと、「それは酷いっ!僕に任せてくださいっ!」と力強く言ってくれ、その場で引き受けてくれました。
この時の男性弁護士と、もう一人女性弁護士の2人が私の担当になってくれました。今までずっと一人で戦って来たので、このお二人に出会えたことでどんなにホッとしたことか。このお二人の弁護士先生が、人生の最大のピンチを救ってくれたことを、私は一生忘れないと思います。
もともと辞めたくなかった、働き続けたかったので、退職届に「一身上の都合」と書くのがどうしても嫌でした。また、自己都合退職になると失業保険も違ってしまいます。そこで、弁護士先生にアドバイスをもらい、以下文面で退職届を提出しました。
退職届
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一連のマネジメント層の退職勧告、および、人事部長の「(仕事に)戻って来るなら妊娠9割諦めろ」の発言について、会社側が退職勧告の事実を認めず、謝罪のない環境では、今後の就労が不可能なため、来る平成25年12月31日をもって退職致します。
(※この退職届も重要な証拠となる。何故辞めることになったのかを、早い段階で残すことが大事。)
書面だけで人事に提出すれば、付き返される可能性があります。付き返されたまま会社を辞めれば、無断退職扱いされ反撃を受ける可能性もあるため、念のためメールで人事部宛にも送信しました。退職の際には守秘義務の書面にサインさせられるのですが、それもサインせずに人事部に戻します。
以下はA部長と最終出勤日に関するやり取り。(※録音あり)
社内の契約社員で時短勤務で働いている女性たちがいることを私が問うと、「そのことは頭になくて、知らなくて…」といいます。知らなかったで、私に対して済まされると思っているのか?
そして、「お前は性格さえちょっと直せば、どこだって就職できると俺は思うよ」と言い、「外注先として契約しないか?」「アルバイトとして働かないか?」などと言います。正しい制度さえ使わせてもらえず、それでもまだ私を使い倒そうとするのでしょうか?もう、あきれるしかありませんでした。A部長は、最後の最後まで自分の誤った言動を認めませんでした。
私がすでに弁護士に依頼をしている旨を人事に伝えているのに、人事はこのA部長に一切何も情報共有していないのでしょう。
退職勧告して来た上司たち、社長、社内コンプライアンス、親会社のコンプライアンス、親会社グループのコンプライアンス宛に、人事に提出した経緯報告書と退職届を添付し、社内改善をメールで要求するも返答はありません。(※証拠のメールとなる)
社内と親会社一連のコンプラアンスも機能していないことが明らかとなりました。
最終出勤日18時。会社を出る際、同僚が私に労いの言葉を掛けてくれる中、A部長が後ろから私を追いかけて来ました。
私の目の前に立ちはだかり、「お疲れ様~!」とばかりに両手を大きく広げて、満面の笑みで私を抱きしめようとします。私がその胸に飛び込むとでも思ったのでしょうか。
私は上司を退け「バカじゃないの!本当に何も分かってないんですね。」と捨て台詞をはく羽目になりました。

それが、この会社との最後の日となりました。

(つづく)

ペンネーム:やすさん

対処方法:社内相談窓口の利用 労働局雇用均等室への相談 弁護士への相談・依頼 労働審判