<体験談 やすさん 16> 「戻ってくるなら妊娠9割諦めろと言ったことは覚えてる」と認める

経緯報告書を提出して、人事面談が設定されました。
(人事部長と社労士の資格を持つ人事2名)
経緯報告書内に、私は2つの質問とお願いを入れ、回答するよう求めました。
【質問】
①  
A部長が自宅に訪れ、契約社員が時短勤務できないと言って来たが、それはどういうことか?
②  
人事部長の「妊娠9割諦めろ」の発言はどういうことか?
【お願い】
第二、第三の私のような立場に合う女性スタッフが現れないようお願い致します。その為には、社内マネジメント層に対し、妊娠にまつわる制度の基本的知識を指導し、知識不足による安易な行動は未然に防ぐよう努めてください。

【回答】

①  
人事の回答では、A部長の自宅訪問はあくまで状況確認であって、退職勧告ではないと主張。母性健康管理制度などの説明をA部長にしていないのは、説明する段階ではなかったとの主張を繰り返し、録音データがあると言っても私の意見を取り合おうとはしなかった。
②  
人事部長は「妊娠9割諦めろ」と発言したことは覚えている。だが、「そのくらいの覚悟で仕事をしてくれという意味で言った」という。
「仕事をしてくれという意味」と上手く逃げたつもりかもしれませんが、答はどの道「出来ません」となり、紛れもない退職勧告となります。「妊娠9割諦めろ」という発言自体が、女性には妊娠か、仕事かの二者択一を迫るものであり、退職勧告にあたるのだという自覚が全くなかったようです。(※「妊娠9割諦めろ」の発言を認めている録音データが有力な証拠となりました。)「あなたが退職を決めたんでしょ」などといい、まるで私が悪いかのように追い詰め、事実を捻じ曲げようとしました。
私はただ人事に、会社に一連の出来事を認めて欲しいと思っていました。そして出来ることなら「傷付けてしまって悪かったね」と一言でもいいから謝って欲しかったのです。そういう器、懐の広ささえ感じられれば、退職の日にはこの人事部長に「出すぎた真似をしました。お世話になりました。ありがとうございました。」と挨拶をしに行こうと思っていました。
それが、最後の最後まで「退職勧告の事実は一切ない」と、私への今までの言動を何一つ認めようとせず、誠意の欠片もありません。また、私が提出した【お願い】の事項については、何1つ言及がなされていませんでした。このままでは、第二第三の被害女性が出てしまうことが容易に想像できます。とにかく、残念で仕方がありませんでした。
同僚からの情報によると、以前営業にいた女性が直属の上司からセクハラを受け、人事に相談に行ったときも、この人事部長は「(セクハラ)そう感じるあなたが悪い」というようなことをいい、まるで相談に来た女性が悪いかのように握りつぶしたと聞いてます。
この会社では安心して妊娠し、出産し、働き続けることは不可能だと思えました。私は会社が事実を認めるまで、徹底的にやろう!と決意しました。

この面談の録音も撮り、せっせと証拠集めに励むことに頭を切り替えたのでした。

(つづく)

ペンネーム:やすさん

対処方法:社内相談窓口の利用 労働局雇用均等室への相談 弁護士への相談・依頼 労働審判