<体験談 やすさん 15> 「私、退職しません!」

人事部長の対応はおかしい、やはり仕事を辞めたくないという思いが固まり、人事との退職手続きの場で、「退職しません!」と告げる。

すると人事より、1ヶ月後までに退職か、働き続けるか決めろという内容の書面が送られてきました。

その書面には、今後も出退勤が不安定な場合(将来的可能性も)、雇用継続の判断が不利になるという内容の記載があり、暗に「妊娠で休むことは不可」と告げられていました。

この【書面】はのちに有力な証拠となりました。会社が何か言ってきた場合、書面にしてもらうのが大事だと痛感しました。
有力な証拠となった書類
人事に所属する同僚の女性から聞くところによると、1番最初に産休・育休をとった女性(正社員)がひどい働き方をしたそうでう。無断欠勤、無断遅刻が多く、3人産んで辞めていったというのです。そのことが原因で、上層部が“産休・育休に反対”という考え方になったのでは、ということでした。
その女性は「(私が)仕事の継続を選択した場合は、半年、1年は妊娠しないようにして大人しくしていないと、上司たちからまた(退職勧告を)やられるよ」とも言いました。
また、私が産業医に相談した後、人事はどのような対応をしたのか質問すると、A部長、C本部長に確認したところ、期限を設けた退職勧告ではなかったことから、人事は特に対応しないとなったとのことでした。
人事部には社労士の資格を持った者もいて、法律の知識があるはずなのに、人事がまるで機能していないことに愕然としました。
そこで、私は労働局の雇用均等室に電話相談をしました。労働局からは「【経緯報告書】を作成して、人事に提出しましたか?」と言われたので、そういう書面は自分では作成していないと告げると、「では、経緯報告書を作成して、もう一度人事に叩きつけ、面談を設定してもらい話し合ってください。それがダメなら、【紛争解決援助制度】という形でお手伝いさせていただきます」と言われました。
また、自分1人で人事と掛け合うのかと気が重かったが、このときの【経緯報告書(いつ・誰に・何を言われたか)】も証拠になりましたし、再度人事と面談することで【録音】を撮る機会を得ることができました。
「紛争解決援助制度」とは、都道府県労働局長又は調停委員が公平な第三者として紛争の当事者の間に立ち、両当事者の納得が得られるよう解決策を提示し、紛争の解決を図ることを目的とした行政サービスです。しかし、解決率は極めて低く、私たちマタハラNetではおススメしておりません。労働局にはどちらが白、どちらが黒と判断する権利がなく、また強制力もありません。メンバーはみな労働局に駆け込みましたが、解決は難しいのが現実のようです。あくまで、アドバイスをもらえる機関ととらえるのがよいかと思います。

(つづく)

ペンネーム:やすさん

対処方法:社内相談窓口の利用 労働局雇用均等室への相談 弁護士への相談・依頼 労働審判