<体験談 やすさん 05>2度目の妊娠判明と同時に切迫流産

「なんだか下腹部の痛いなあ、前にもこの痛みに似た痛みを経験したような気がする。
そういえば、なんか胸が張って痛いし、この状態、前にも似たような状態になったことがあるような……。」
まさかとは思いましたが調べてみると陽性反応。2度目の妊娠には下腹部の鈍痛で気が付きました。

妊娠検査薬で陽性が分かったその夜に、上司Aに電話を入れました。翌日には静岡への取材撮影が予定されていたので、その相談をするためです。以前流産したときに似たような張り、鈍痛、を感じた私には嫌な予感がしていました。
「もう絶対、流産は嫌だ!なんとしても死守したい!」
今度は、自分の身体を優先させてもらおうと強く決意をしていたのです。

上司Aに電話で妊娠を報告すると、驚いてはいましたが、出張の交代を引き受けてくれました。迷惑をかけて申し訳ないとお礼を言って電話を置くと、ふと思いました。「上司Aに私の業務を直接助けてもらうのがこれが初めてだな。」と。

翌日、病院に行くと切迫流産との診断。自宅安静を余儀なくされました。医師からは「下腹部の痛みが消えて、心拍さえ見えれば、一安心だから。一度目が流産してしまっているので、今度は大事にしましょうね。」とのこと。「はい。私、大事にします!今度こそ、赤ちゃん欲しいです。」と即答しました。

再び上司Aに電話をし、自宅安静の旨を伝え、この日から会社を休みました。妊娠初期はとにかく眠気が強く、家事もできず横になってすごす日々。母親が車で迎えに来てくれ、食事も作らなくて済むよう、実家に帰ったりもしていました。

しかし、家で寝ていても、毎日のように会社から電話の着信、メールも来ます。業務を一人でまわしており、情報共有もさせてもらえなかったのですから当然です。
「ここは、どうなっている?」
「これは、誰に連絡すればいい?」
「この人に連絡取れないんだけど、どうなっている?」……etc
このプロジェクトではない、別の女性が代わりにやってくれているようでした。

上司Aからも毎日のように連絡があり、「私に万が一のことがあったら……」と進言した通りの事態が起こっていました。できればこんなことになる前に組織としてバックアップの体制を整えておくべきでした。

電話に出られないと「何で電話にすぐ出ない?何してた?」と語気を荒げています。切迫流産で安静にする必要があったため、横になっていることが多かった私にはすぐに対応できないこともあり、困りました。

それでも私は、着信に気付けばできるだけ早く電話を折り返したていましたし、メールも必ず返信していました。迷惑掛けて申し訳ないということは、毎回伝え、安定したら必ずまた職場復帰しますから、しばらくだけお願いしますと伝えていました。

しかし、1週間が過ぎた頃、様子が変わって来ました。この上司Aが電話で「仕事に復帰する場合じゃないんじゃないの?」と言うのです。さらに「今後のことを話したいから」と私の自宅に来たいと言い出しました。

正直なところ「嫌だな」と思いました。そのころは契約更新の時期も迫っており、仕事を続けるためには、契約を更新しなければいけない時期でした。その所為もあって、とても嫌な予感がしていたのです。真冬の寒空の下、安静にしなくてはいけないため、外出は控えたい。自宅に来てくれるよう上司Aにお願いしました。しかし、今思うと自宅に呼んだのは間違いだったのではないかと思います。まさか夜まで居座られるとは思ってもいませんでした……。

(つづく)

ペンネーム:やすさん
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